診療科・部門

泌尿器科

『目の前の患者さんに全力をつくす』ことを常に心に持ち、地域の皆様にすこしでも貢献できる泌尿器医療を継続し目指していきたいと思います。
治療方針は、多様化する医療の中で様々な治療方針における利点と欠点を具体的に示し、患者様と共に相談して決定していきたいと考えています。

主な診療内容・対象疾患

頻尿(おしっこの回数が多い、夜おしっこに起きる、寒いと回数が増える)

薬だけではなく、生活指導(水分の取り方など)を行い、日常生活の中でおしっこが煩わしくないようなレベルを目指します。男性では前立腺肥大症による症状の可能性があります。薬での効果が不良な場合は、手術による改善をめざします。

血尿(健康診断で尿潜血、赤いおしっこが出た)

さまざまな原因があります。尿路結石、膀胱や腎などのがん、感染症などの可能性があります。見た目に赤い尿(肉眼的血尿)はもちろんですが、検診で尿潜血を指摘された場合も受診されることをお勧めします。

PSA高値

PSA検診で高値の場合、前立腺がんの可能性があります。年齢などを考慮しますが、一般的に4を超えた場合に前立腺生検をお勧めします。前立腺生検は、MRIで前立腺がんを疑うような所見があるかを確認し、麻酔をかけて行います。一般的には経直腸的に生検しますが、直腸を経由しますので、細菌感染を生じる可能性があります。当センターでは経会陰的針生検(陰嚢と肛門の間の皮膚を経由)を行っており、経直腸的生検と比べて、感染のリスクが少ないです。また、広範囲な生検が可能であり、質の高い検査が行えます。

前立腺がん

男性で最も多いがんです。病気の状態によってさまざまな治療選択肢があります。最適な治療選択ができるように、丁寧な説明を心掛けます。
転移がない場合、手術や放射線照射が適応となります。手術に関して、可能であるならダヴィンチXiによるロボット手術を行います。放射線照射の場合、直腸の合併症を減らす目的で、直腸と前立腺の間にハイドロゲル(SpaceOAR®)を留置します。
転移のある場合は、ホルモン治療、抗がん剤治療などの薬を用いて治療します。

腎臓がん

腎臓は、両背部に存在する、主に血液をろ過し尿を作る臓器です。その他、赤血球を作るホルモンを産生したり、血圧をコントロールする働きがあります。腎臓にできる腫瘍の約8割が腎臓がんです。
転移がない場合、また症例によっては転移がある場合も、手術を行います。腫瘍の大きさで腹腔鏡手術や開腹手術を行っています。また比較的小さな腫瘍(4㎝以下)に対しては、腎機能温存をめざし、ダヴィンチXiによるロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術を検討します。
転移がある進行がんの場合は、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害剤などの薬を用いて治療します。

尿路上皮がん(腎盂がん、尿管がん、膀胱がん)

尿の通り道である尿路(腎盂、尿管、膀胱)にできるがんです。

膀胱に発生する腫瘍は膀胱がんが多く、喫煙習慣が多い方、特定の染料に接する方に多く発生することがわかっています。膀胱がんのおもな症状は、痛みを伴わない血尿ですが、頻尿や排尿時痛から診断されることもあります。診断には尿検査、腹部超音波検査、尿細胞診(尿中に含まれる細胞を調べる検査)、膀胱鏡検査等を行います。

転移がない場合、経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)や膀胱全摘除術などがあります。病気の状態によって、方針を決定します。またBCG膀胱内注入療法や抗がん剤療法を併用することも検討します。

転移のある場合は、抗がん剤療法を行います。

腎盂がん、尿管がんは膀胱がんと類似しています。ただし、病変が観察しにくい部位に存在するので、診断が困難なことがあります。尿管鏡などを行い、精度の高い診断をめざします。治療は膀胱がんと同様な方針となります。

精巣腫瘍

精巣腫瘍は人口10万人あたり12人に発生する稀な疾患です。小児期と2030歳代に多く発生し、診断の契機としては無痛性の精巣腫大が最多です。
触診や超音波検査で精巣腫瘍が疑われる場合には早急に手術(高位精巣摘除術)を施行し、確定診断を行います。また血液検査で腫瘍マーカー(HCG、AFP、LDH)CT検査で転移の有無を調べます。これらの結果を踏まえて、手術(後腹膜郭清)、化学療法(抗がん剤治療)、放射線療法などの追加治療を行う場合もあります。
精巣腫瘍では比較的早くから肺やリンパ節へ転移することがあります。睾丸が硬くなったり、大きくなった場合には可能な限り早期の受診が望まれます。

 

 ご不明な点等あればいつでも担当医にご相談ください。

外来担当医表

 
午前@am
[完全予約制]
1・3・5週 小倉
(初再診)
下髙原優樹
(初再診)
下髙原優樹
(再診)
小倉友二
(初再診)
1・3・5週 寺邊
(再診)
手術1・3・5週 寺邊寺邊隆史
(初再診)
寺邊隆史
(再診)
2・4週 交代制
(初診)
2・4週 小倉
午後@pm1・3・5週 小倉
(再診)
1・3・5週 寺邊
(再診)
手術手術手術下髙原優樹
(再診)
※午後は、検査・処置のみとなります。

医師紹介

氏名 小倉 友二部長
専門領域 泌尿器科 悪性疾患
資格等 日本泌尿器科学会専門医・指導医
日本泌尿器内視鏡学会泌尿器腹腔鏡技術認定
日本内視鏡外科学会(泌尿器腹腔鏡)技術認定
日本ミニマム創泌尿器内視鏡外科学会腹腔鏡下小切開手術施設基準医
日本がん治療認定機構がん治療認定医
ダヴィンチサージカルシステム術者認定資格(ロボット支援手術)
ダヴィンチサージカルシステム プロクター認定資格
臨床研修指導医講習修了
緩和ケア研修会修了
寺邊隆史

氏名  寺邊 隆史医長
専門領域 泌尿器科全般
資格等

日本泌尿器科学会 専門医

 

下髙原 優樹

氏名 下髙原 優樹
専門領域 泌尿器科全般
資格等