各種方針
無輸血治療を希望される患者さんへ
当院では、宗教的理由による輸血拒否に対し、「相対的無輸血 」の方針に基づき、以下の通り対応いたします。
基本方針
- 無輸血による治療に最善の努力を行いますが、救命手段として輸血が回避できない場合には、輸血治療を行ういわゆる「相対的無輸血」の方針をとります。
- 治療に際しては、患者および家族などの関係者にこの基本方針について十分な説明を行いますが、最終的に同意が得られず治療に時間的余裕がある場合は、他の医療機関での診療をお勧めします。
- 救急搬送時や入院中の症状の急変など時間的猶予のない緊急時においては救命を最優先とし、相対的無輸血の方針による治療を患者および家族などの関係者の意思に関わりなく実施します。
- 「免責証明書」など絶対的無輸血治療に同意する文書等には署名いたしません。
- 絶対的無輸血
患者さんの意思を尊重し、たとえいかなる事態になっても輸血をしないという立場、考え方 - 相対的無輸血
患者さんの意思を尊重し、可能な限り無輸血治療に努めるが、輸血以外に救命手段がない事態に至ったときには輸血を行うという立場、考え方医療行為に伴う侵襲と合併症・偶発症にご理解ください
医療行為に伴う侵襲と合併症・偶発症にご理解ください
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多くの医療行為は、身体に対して侵襲を伴います。そのため、医療行為を行う際には、医療行為による利益(治療効果)と身体への侵襲の不利益を検討し、利益が不利益を上回る場合に、その医療行為を行います。決定した医療行為は、患者さんに説明をして同意を得てから行います。
しかし、医療は本質的に不確実・不確定なもので、予期せぬ重大な合併症や事故が起こり得ます。医療行為と無関係の病気や細菌、ウイルス等の感染症や加齢に伴う症状が医療行為の前後に発症することもあります。合併症や偶発症が起これば、治療には最善を尽くしますが、予後に影響を及ぼすような後遺障害が残存したり、時には死亡に至ることもあります。予想される重大・重要な合併症については説明いたしますが、極めて稀なものや予想外のものもあり、全ての可能性をお伝えすることはできません。また、アレルギーによるショックや薬剤による副作用・採血・注射などによる神経障害等でいきなり有害事象が生じるということもあります。
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医療行為に伴う侵襲と合併症・偶発症の発生のリスクについてご理解いただいた上で、各種治療や検査をお受けいただきますようお願い致します。
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合併症・偶発症が生じた場合、その際の医療費は通常の保険診療で行うことになります。そのため、患者さんに自己負担が生じます。
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説明・治療内容について疑問・不安がある場合には、遠慮なく主治医(外来担当医師)・看護師・薬剤師・他の職員にお尋ね下さい。
*侵襲とは:体に負荷を与えること
*合併症とは:ある病気が原因となって起こる別の病気
*偶発症とは:手術や検査等の際、偶然に起こった症状あるいは事象で、因果関係がないか不明なもの
地方独立行政法人 桑名市総合医療センター
病院長
医療安全管理室